今回はこれまで私が海外で演奏した時の経験から、「これから海外でライブをする」「海外でライブをしたい」という海外ライブ初心者の方のために、いくつか注意点やお得な情報。そして海外でライブをするにはどうすればいいか、などについて書かせてもらいたいと思います。
といっても、私もそこまで海外経験があるわけじゃないので、足りないと思われるところや、いまいち自信がないところなどは他のサイトのリンクなども貼って補強していきたいと思ってます。これから海外に行こうとしている有望なミュージシャンたちの不安をなるべく減らし、海外演奏の成功のお手伝いができれば嬉しいです。
わりと長いんで、時間がない人は目次を見て、自分に必要そうなところにジャンプして読んでください。
まず海外へ行くための準備をする。
パスポートを取ろう。
何はさておき、まずはパスポートを取りましょう。パスポートがなければお話になりません。パスポートの申請は住民票がある都道府県のパスポートセンター(旅券窓口)で行います。ただし、住民票がなくても例外的に認められる場合があるようなので、事情がある方はとりあえず住んでいるところのセンターに相談してみてください。
とりあえず、東京都の公式サイトのリンクを張っておきます。
参考サイト:初めて申請する方|東京都生活文化局
必要な書類や写真の大きさなど注意事項は各サイトで読んでください。たぶんどこも必要なものはほとんど同じだと思うので、東京の人以外も上のリンクを読んで参考にしてください。
東京都では新宿・有楽町・池袋・立川の四つ場所に旅券窓口があります。
余裕をもった申請手続きを
パスポートの取得には時間がかかります。一番遅くても出発の1カ月くらい前には申請するようにしましょう。何があるかわからないので、できれば2ヶ月くらい前に申請手続きをしてはやめにとった方がいいと思います。私は3ヶ月くらい前にとりました。
ちなみに旅券窓口は平日の方が断然空いているので、可能なら平日に行った方がいいです。申請と受け取りはそれぞれ10分もかからないと思います。休日や混む時間帯だとめっちゃ時間かかると思います。
あと、けっこうお金かかります。
参考サイト:手数料一覧|東京都生活文化局
行く国のコンセントの形状と、電気のボルト数(電圧)を調べる
外国ではコンセントの形状が違うことがおおいです。スマホやパソコンを持っていってもコンセントを差せなければ充電できなくて困ってしまいます。
調べ方は、行く国の名前 + コンセント でググればでてきます。
あともう一つ気をつけなくてはいけないのが、その国のボルト数(電圧)。たとえば日本では100Vですが、アメリカでは110~120Vだったりします。シンガポールだと220~240Vですね。
これは何が困るかっていうと、使う電気機器が100V以上に対応していないと確実に壊れるっていう点です。ミュージシャンによくありがちなのが、ヴィンテージのエフェクターや機材を外国に持っていって、サウンドチェックの時に通電させたらショートっていうパターンですね。
最近では日本製のほとんどの電気機器は100V以上でも大丈夫なように作られているので、おそらく大丈夫かと思いますが、念のため(特にエフェクター類など)は電機系の規格を確認しときましょう。
スマホやパソコンは100V以上に対応していないものはないと思うのでおっけーです。
レンタルwifiを申し込んでおく
海外では基本的にwifiでスマホやパソコンをネットにつなげることになります。三大キャリアなどであれば、オプション申し込みでそのままLTEを使えたりもしますが、レンタルwifiの方がぜんぜん安上がりです。
私の場合は、「まあレンタルしなくてもwifiなんか街中に飛んでるだろうし、なんとかなるよな」と思って、何も準備せずに行きましたが、結果困りました。ホテル以外の場所だと、何かを調べたい時にそんな都合よく飛んでたりしません。なので、wifiを探すのに結構時間がとられてすごく不便でした。
それに通信セキュリティ上も絶対にレンタルwifiの方が安全です。無料のwifiを使ってクレジットカードの情報を盗まれ、悪用されたなんて話はくそほど聞きます。日本人はネットセキュリティ感が甘いので狙わりまくりのようです。
人気のwifi会社のリンクも貼っておくので参考にしてみてください。レンタルwifi機の受け取りは自宅郵送や空港受取などあるようです。
機材はどうするか?
海外でライブをする際の問題のひとつは、どれだけ日本でやる時と同じクオリティを出せるかです。そのためには機材が重要になってくるので、なるべく普段と同じものをそのまま使いたい。普段から機材の少ない場合なら特に苦労はしませんが、多い場合は工夫しなければなりません。
飛行機に持ち込む
その航空会社の上限ぎりぎりまで機材をパックして持っていきます。多少の重量超過なら見逃してくれるところがほとんどですが、あまりにオーバーしていると断れたりします。バンド内で分担するなどしましょう。
現地調達する
現地につてがあればそこで借りるのも良いと思います。私も楽器は現地の人からなるべく同じスペックのものをお借りしました。
あとは楽器メーカーとつながりがあるなら、ダメもとでそのメーカーの知り合いの人に掛け合ってみましょう。案外、すんなり準備してくれたりします。海外展開してる楽器屋、とかでもいけるかもしれませんね。
なお国外線の飛行機の手荷物や預け荷物の検査は、国内線よりだいぶ厳しいので何をもっていってはいけないかを、必ず事前にチェックしておいてください。
参考サイト:機内持ち込み手荷物の制限をチェック | 絵でわか〜る。はじめての海外旅行
電圧仕様を確認
くどいようですが、持っていく機材の電圧などの仕様は念入りにおこなっておきましょう。
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両替について
向こうに行ったら日本のお金は使えないので、両替しなくてはなりません。ただ、どこで両替するかによって結構お得度が違ってくるので一応注意です。
米ドルとユーロ
この二つはあらかじめ日本の銀行でしておいた方が得です。理由は手数料がそんなに高くないから。日本の銀行ならどこでやってもあまり変わらないようです。
それ以外の通貨
それ以外のアジア圏などの通貨は現地の空港で両替した方が得です。理由は日本ですると手数料が高いから。
参考サイト:現金の両替はどこでする? | 絵でわか〜る。はじめての海外旅行
どうやって海外でライブをする段取りをつけられるか
そもそも、ここでつまづいている人たちが多いかもしれません。海外でやりたい!という気持ちはあっても、それだけではどうしようもないですからね。
どうすれば海外のライブハウスなどでライブをする段取りをつけられるのか。
これはさまざまです。
現地の人間に呼ばれる
これは一番楽な場合です。その国の人から「演奏しに来てくれよ」と呼ばれること。そのためにはまずその人とつながっていなくてはなりませんが、ネットが発達した今の世界ではその気になれば、つながりなんてすぐ作れますよ。FacebookやらTwitterやらInstagramやらYoutubeやら。
私の場合は仲良くなった海外のバンドから呼ばれたりしました。
あと、海外の大きなフェスティバルとかに呼ばれる場合はもっと楽です。必要な楽器の手配からビザの申請から全部やってくれます。楽器の手配もだいぶ助かりますが、特にアーティスト用のビザをとってくれるのはいいですよ。
入国審査の時に「いや、~フェスティバルに出演するんだよ」とか堂々と言えます。
ビザがない場合には、基本的には「Sight seeing(観光で来た)」と言わなくてはいけません。絶対に「ギグ(演奏)をするために来た」とか言わないように。最悪、入国できません。特にアメリカは厳しいです。
自分から向こうの人間に打診する
情熱と行動力があるなら、向こうの人間にメールか何かを送ってみましょう。出たいライブハウスのサイトをみてそこに載ってるアドレスでもいいですし、SNSのダイレクトメッセージでもかまいません。わりときちんと返信してくれます。
実は私のとこにも海外のアーティストからそういう
「俺たちはこういう者で、こういう音楽をやっている。前々からお前たちの音楽が好きなんだ。今後ともよろしく」
「んで、日本でツアー組みたいんだけどどこかいいライブハウスを紹介してくれないか?もしくは俺らと回ってくれないか?もしくは良いオーガナイザーいないか?」
といったメールが来たりします。ツイッターとかフェイスブック経由が多いですね。そういう人ってそんなに多くないので、こちらもきちんと対応したりします。
それと同じことだと思います。やっぱり「お、こいつこっちに来ようとしてんのか。がんばってんな」って応援したくなりますからね。
世界中のバンドを募集している海外のフェスに申し込む
海外にはいろんな大型フェスがあるので、世界規模で出演バンドを募集していたりします。一番有名なのはSXSWとかでかですね。このフェスは「ジャパンナイト」っていう日本バンド枠さえあります。
そのジャパンナイトにはこれまでにも有名なバンドがたくさん出てたりします。手続きとかは結構手間がかかりますが、代行してくれる会社もありますので(けっこう高い)そういったところを使うのも手です。
私はでたことありませんが、知り合いから聞いた話だと、SXSWの「ジャパンナイト」に関して言うなら出ない方がいいみたいです。SXSWにでるなら、「ジャパンナイト」という日本枠ででないで、外国のバンドと混ざってやったほうがいいとのこと。
理由はお客さんの数が圧倒的に違うとのことでした。私もアメリカに行ってなんでわざわざ日本のバンドと一緒に回らなくちゃいけないんだと思います。外国のバンドとやった方が刺激をもらえるし、海外の人とつながりを作れると思うんですけどね。
お得!!海外に行くための補助金制度を使う!!
全額自費で渡航しようと思ってたりしませんか? そういう独立独歩の精神、私はとても好きですが、日本にはアーティストの文化交流などに対して補助金を出してくれる団体がけっこうあったりします。
民間の団体だったり、日本政府のものだったり。ぼくの周りの人たちはだいたいそういう補助金の申請をして、行ってるみたいです。費用の9割くらいもってくれるところもあるみたいですよ。
そういうところは使った方が絶対にお得です。お金のせいでやりたいことができないなんて、馬鹿げてると私は思います。手を尽くし、智恵を尽くせば、資金の調達なんてなんとでもなります。でも消費者金融とかには手を出しちゃだめですよ?
そういう補助金を出してくれる団体で有名どころは
ここです。審査を通る率はかなり高いようですので気になる人はとりあえず相談してみましょう。
最後に
機材トラブルに気をつけよう
すべての過程をクリアして、いざ海外での演奏当日になったとします。そのときに一番気をつけなくてはいけないのが機材トラブルです。
輸送中の振動や、日本とは違う電力環境などによって、トラブルが起きる確率大です。私もリハで音が出ないとかなって、冷汗かきました(本番前になんとかしましたが)。
せっかくきたのに演奏ができないんじゃ元も子もないですからね。できるなら本番前日に機材チェックしときましょう。
英語は勉強しとこう
演奏以外の空き時間、私は外国の街をとにかくぶらぶらしまくりました。めちゃくちゃ楽しかったです。現地の人とも話したり。私はコミュニケーションをとれるように外国行きが決まった時から、DMMのスカイプ英会話をして英語を鍛えてたので、少しは会話できました。
もし英語に自信がない人がいたら絶対に英語は勉強した方がいいです。意思疎通できるかできないかで、外国の音楽関係者とつながれるかが大きく変わってきます。しゃべれないと、ほんと損なだけです。
とりあえず無料体験レッスンとかいろんなオンライン英会話サイトでやっているので(私もそこからDMMをはじめました)、そこから自分がどれだけ話せるか、レベルをはかってみましょう。
といっても、「外国の人と喋りたくても喋れない」という悔しい思いを何回かしないと、よっしゃ英会話やるかってならないんですけどね。私がまさしくそうでした。笑
まあDMM英会話については違う記事で書いてるんで、興味ある人はどうぞ。