ミュージシャンの請求書の書き方を調べてこの記事にたどり着いたということは、音楽でわりとちゃんとした仕事(請求書を提出しなければいけないような)をこなしたということですね?
おめでとうございます!いや、いいですね~めでたいですね~。
きっと先方から請求書の提出を求められて、「え、請求書って出したことないんだけど、どう書けば良いんだろう」と調べている最中なんだと思います。
私も一番はじめは同じようにググって調べました。
音楽系はわりと取っ払いが多かったりして請求書とか書かないことが多いので、必要な現場をこなすようになると自分も少しづつ音楽で稼げるようになってきたんだなぁと思えますよね。
ということで、今回は具体的な例を出しながらミュージシャンのための請求書の書き方を解説していきたいと思います。
請求書を作るときはネットの会計サイトを利用するのがおすすめ
請求書を作るときは無料で使えるネットの請求書テンプレサイトを使うのがいいです。
手書きで書いたり文房具屋で買ってきてもいいですが、金額の計算が面倒だったりいろいろ不便なので、パソコンで打ち込めて自動で計算もしてくれるサイトのテンプレが断然おすすめ。
私はfreeeというクラウド型会計サイトを使っています。有料のほうがいろいろと使える機能はたくさんありますが、請求書を作るだけなら無料で十分です。
業界一二位を争う大手の会計ソフト会社なので、使いやすさもセキュリティもばっちりですよ。
これから説明する請求書作成方法はこのfreeeの請求書作成画面を使って行っていくので、簡単で楽に請求を作成したい人はとりあえず無料のアカウントを作成して、自分の画面と照らし合わせながら読んでいってください。
アカウント作成はこのリンクか下のバナーからどうぞ。
freeeを使った請求書の作り方
さて、freeeでアカウントは作り終えたでしょうか?
作り終えたら自分の画面と見合わせながらこの先を読み進めていってくださいね。
アカウントを作ってログインする
freeeでアカウントを作ってログインすると下のように「無料プランでは機能が制限されています」とポップアップがでてきますが、「スキップ」を押してスルーします。
請求書を作るだけなら、無料でぜんぜん事足ります。
取引 → 請求書をクリック
左上のメニューに「取引」という項目があるので、そこにカーソルを移動するとさらにツリー型のメニューが表示されます。
その中に「請求書」というのがあるのでそれをクリックします。
「請求書を作成する」をクリック
すると下のような画面になるので、赤丸の中の「請求書を作成する」をクリック。
請求先情報を登録する
次は下のような画面になります。
そして「取引先(必須)」の欄をクリックします。
すると下の画面のように「新規登録」という項目がでてくるので、それをクリック。
ここで取引先の名前を入力して「登録」を押します。ちなみにここの名前は会社の正式名称でなく、自分が管理しやすい名前でも大丈夫です。
すると下のような画面になります。ここではじめて正式名称と住所を入力して「請求書を作成する」をクリックしましょう。
会社名や住所、宛名は担当の人からのメールなどで支持されると思いますので、それをコピペしてしまいましょう。
請求書に明細を記入していく
次は実際の請求書のプレビュー画面になり、ここに明細などを記入していきます。
左上に先程入力した会社の正式名称、住所が載るようになっています。
黒く塗りつぶしてある部分には、アカウント登録時に記入した自分の名前、住所、口座情報が書かれています。もしまだそれらの情報を登録していなかったらしてしまいましょう。
次に下画面の赤丸で囲まれている部分に請求項目、金額(単価)を追加していきます。こんな感じ↓
ちょっと隠れてしまっていますが、上の画面の請求詳細には
- 1/3 良い音バンドレコーディング演奏料として
- 1/5 良い音バンドライブ演奏料として
と書いてあります。
ここの名目は請求先の担当の人から支持があると思いますので、そのとおりに書きましょう。
たまにまったく指示がない時がありますが、そういうときは質問するか、この例と同じように書けばだいたい大丈夫です。
そしてギャラが税込みの場合は↓のように赤丸のところをクリックして「内税」に変えます。
金額が消費税も含めての額に自動的に再計算されていますよね。
ギャラが税込み(内税)か、それとも税抜き(外税)なのかは請求先の担当の人からの指示メールなどに書かれてあると思いますので、それを参考にしてください。
ちなみに金額欄の横にある「行の種類」というのは「通常」のままで大丈夫です。
印刷して、判子を押す
間違いがないか確認して印刷したら、つぎは自分の判子を請求書の名前の近くなどに押しましょう。
判子がないと請求書をもう一度送ってくださいと先方から言われることもあるので忘れないように。
はんこの種類は普通のシャチハタでも大丈夫ですが、これを機にいいやつを買うのもありだと思います。体裁もいいですし、これから何かと判子を押す機会が増えてきます。
(ちなみに私は【Inkans.com】 という判子専門サイトで5000円くらいのを頼みました。調べた限りではここが一番安くて質も良くてよかったです。)
判子を押す場所はこの請求書の場合、下の赤丸あたりでオッケーです。
出来上がった請求書を郵送して振り込まれるのを待つ!
請求書を印刷して判子まで押したのを確かめたら、さっそく先方に郵送しましょう。その際には以下のことに気をつけておくといいです。
封筒の宛名の下辺りに「請求書在中」と書いておく
きっと送り先の会社には毎日たくさんの郵送物が届いているはずです。
そのたくさんの郵送物と紛れて確認を後回しにされないよう、「請求書在中」と封筒に書いておきましょう。
そうすれば優先的に確認してくれるはずです。
請求書は三つ折りにして封筒に入れる
請求書を封筒に入れるときは折らなくては入らないですが、そのときには三つ折りがいいと言われています。
個人的にはどんな折り方でもええやん、と思いますがこういうときは世間の体裁に合わせることも大事です。
三つ折りであればどんなふうでもいいと思いますが、細かいことを確認したい場合はこのサイト参考にしてみてくださいね。
郵送方法は「普通郵便」が一般的
最初私は書留で送るべきなのか迷ったんですが、一般的には普通郵便(つまり普通に切手を貼って送る)がよいそうです。
普通郵便だと届いたかどうか確認できないですが、振込をもって確認としましょう。
もし、振込が予定よりも大幅に遅れるようなら請求書がちゃんと届いたかどうかの確認をしてもいいと思います。
無事ギャラが振り込まれたけど、なんか請求金額より少ない・・・?
請求書が無事届いてきちんと受理されると、翌月か翌々月くらいには振り込まれると思います。
そのとき、振り込まれている金額はほとんどの場合、請求金額より少ないです。
「えっ、自分が請求した金額より少ない額になってるんだけど!?」
とびっくりするかもですが、これは源泉所得税が引かれているためです。けして向こうの手違いなどではないので安心してください。
これは法律によってきめられているもので、会社(法人)から個人にギャラを支払う際はそのギャラの10.21%を引いて国に納める決まりになっています。
簡単に言うと所得税の前払いですね。なので振り込まれる額は請求した金額から約10%引かれた額になると思っていましょう。
ギャラと源泉徴収についてさらに詳しく知りたい方は次のサイトがわかりやすいので参考にどうぞ。
源泉徴収された額は確定申告をするとわりと返ってくる
10%ほども源泉徴収されるのはけっこう痛いですよね。ギャラが10万円なら1万円くらい引かれるわけですから10%はけっこう大きいです。
しかしこの源泉徴収された額は確定申告をきちんとすることで、いくらか返ってきます。
源泉徴収というのはいわば所得税の前払いですが、本来所得税というのは年間の総合的な所得によって決まってくるわけです。
それを前払いさせているのですから最終的な所得にかかる本当の所得税とは違いが出てくるのは当たり前ですよね。
その違いを直して、ただしい所得税を割り出すのが確定申告なんですね。
なので、確定申告しないと損をしているんですよ。
いままで確定申告をしてこなかった人はこれを機にちゃんと確定申告しましょう。
確定申告もクラウド型の確定申告ソフトを利用するとめっちゃ楽なんでおすすめですよ。
クレジットカードや銀行の明細などを自動で読み取らせて、記入の手間を大幅になくすことができます。
めんどくさい収支内訳書の取引先データとかも全部記入しなくて済むし、かなりいいです。
私は何年か前までは全部自力で打ち込んでたんですが、クラウド型の確定申告サイトを利用しはじめてから最初の確定申告のスムーズさには感動せざるを得ませんでした。
流石に無料とはいきませんが(月額800円くらい)、お金を払って利用する価値はあると思いましたね。
クラウド型の確定申告ソフトを使うならfreeeかマネーフォワードかの二択になると思いますが、私はマネフォワードを使ってます(マネーフォワードのほうが一括で内訳を登録する記入があって便利)。
興味のある人はぜひリンクからチェックしてみてください。
まとめ
ミュージシャン・バンドマンのための請求書の書き方を実例付きで解説させてもらいましたが、ぶじ作成できたでしょうか?
おたがい、これからも数え切れないくらい請求書を作成していければいいですね。
音楽のビジネスモデルは変遷期にあるので、業界全体がしばらく不安定で先行き不安な感じだと思いますが、なんとかあの手この手で生き残っていければ良いなぁ、と私は思っています。
そのためにも請求書管理をはじめ、確定申告などもきちんとおこなっておくのがとても大切だと思います。
自分はミュージシャンである前に個人事業主なのだという認識を持って、生活していきましょう。