まだ稼げていないミュージシャン・バンドマンこそ確定申告をすべきなんだってばよ!

投稿日:2019年1月10日 更新日:

ミュージシャンの確定申告を進める習字風の文

ミュージシャンは確定申告をちゃんとしてない人が多いです。

特に駆け出しのバンドマンとか作曲家志望の子たちは「カクテイシンコクってなんすか?俺らに関係あるんすか?」という場合がほとんど。

私が老婆心で「確定申告してる?ちゃんとしといたほうがいいよ」と教えてあげても、よく仕組みがわかっていないから重要さをぜんぜん分かってくれないんですよね。

そういう人はみんなだいたい「まだ音楽でぜんぜん稼げてないし、確定申告とかやらなくても別に怒られないでしょ?」みたいに思ってます。

たしかに役所から怒られるケースはあまりないかもしれない(向こうから言ってくることはあたりないというだけで、厳密に言えばちゃんとしないとだめですよー)。

でもね、売れていようが売れていまいが、確定申告していないミュージシャンは本当にめちゃくちゃ損してます

私に言わせれば、音楽で生計をたてたいと思っているなら、売れてなくて生活が苦しい下積みのミュージシャンこそ確定申告をすべきなんです。

なぜならそうすることで余分にとられている税金をなくし、その分を音楽活動に充てることができるからです。

そういうわけで、今回は私の実体験なども含め、ミュージシャンが確定申告をする重要性と確定申告のやり方について書きたいと思います。

なんで確定申告をしないと損なのか?

市民税の通知にびっくりするバンドマン

確定申告をしていないミュージシャンのほとんどは役所から市民税、国民健康保険料、所得税などを多く徴収されてます。

つまりちゃんと確定申告をすれば月々支払っている税金を減らすことができるということ。

あなたはいま税金や年金、保険などの全部の支払いは月いくらぐらい払ってますか?

バイトなどをしてちゃんと自分で自活しているなら、市民税は一ヶ月に1~2万前後、国民健康保険料は1万前後、年金は1万5千円くらいで毎月およそ3万円前後を国に取られているんじゃないでしょうか?

3万円ってけっこうでかいですよね。それだけあればけっこう良い音楽機材を買えます。

こちとらお金がないからご飯とか服とか贅沢しないで慎ましく貯金してやっと高い機材を買っているんじゃいって話ですよ。

でも確定申告をすればそういった市民税や保険料、年金による痛い出費を抑えることができます。

場合によりますが、税金関係の出費が半額以下になる人も少なくないと思います(私はそのパターンでした)。

こんな人は確定申告をすると税金が安くなる可能性大!

  • アルバイトなどで年間103万以上稼ぎつつ、プロのミュージシャンやバンドマンを目指して音楽活動をしているが、音楽では全然稼げていない人。
  • 会社員に勤めながら年間103万〜以下同文。
  • つまり、どこかから年間103万以上の給与をもらいながら音楽活動をやっているけどそれで全然稼げていない人。

なぜ確定申告をすると税金が安くなるか

役人に生活の実情を伝える絵

稼げていないミュージシャン・バンドマンが確定申告をするとなぜ税金が安くなるか。

結論から言ってしまえば、給与所得(バイトなどで稼いだお金)と事業所得(音楽活動による赤字のお金)を合算して正確な所得を役所に知らせることができるからです。

いきなりこんな事をいってもちょっとわからないと思うので、これから順を追って説明していきますね。

まず給与所得と事業所得の違いを知っておこう

まずは給与所得と事業所得という二つの所得の違いを把握しておきましょう。

簡潔に言うなら給与所得とは会社員やアルバイト・パートの人たちが、その働いている会社からもらう給料のことです。

そして事業所得とは会社などに属しておらず、フリーで働いている人たち(いわゆる個人事業主)が個人で受けた仕事のギャラなどのことです。つまりミュージシャンでいえば音楽活動で発生したお金のことですね。

なので、アルバイトをしながら(または会社で働きながら)プロのミュージシャンを目指して活動している人は、給与所得と事業所得の二つの所得を得ていることになります

ただし、事業所得として認められるためには役所に開業届を出して、「個人事業主」になる必要があります。開業届というとなんかめんどくさそうな気がしますが、実際は全然めんどくさくないし、基本誰でも個人事業主になれます。

(ちなみにときどき、個人事業主になったらアルバイトも含む全部の所得を事業所得なんだと間違えてしまう人がいますが、個人事業主になっても給与所得と事業所得は分けられますからね。)

税金は所得によって変わる

税金はその人の年間の所得(収入から経費を差し引いたもの)をもとに計算されて決まります。

所得が高い人はその分税金が高くなるし、所得が低い人はそれだけ安い税金になります。

「自分は確定申告してないのに、なんで所得に応じた税金や保険料の振込用紙が送られてくるの?」と思う人も多いかと思いますが、それはあなたに給与を払っている会社が役所に支払い報告書を提出しているからです(まれに提出されておらず、所得なしとみなされて税金がめちゃくちゃ安くなっている人もいます。そういう人は確定申告しないほうが得かもです笑)。

あなたが確定申告をしなくても、役所はあなたの給与所得をきちんと把握してるんですよね。

収入と所得の違いとは?

よく収入と所得をごちゃまぜにしてる人が多いんですが(私もよくわかってませんでした)、所得というのは

収入 - 経費 = 所得

になります。事業所得のわかりやすい例を挙げると

ライブを一本やって5万円儲かった(収入) - そのライブのために使ったスタジオ代8000円と当日の交通費2000円 計1万円(経費) =残りの4万円(所得)

という感じです。極端に言うと所得っていうのは最終的に手元に残った利益ってことですね。

これを年単位で考えると

その年の音楽活動による収入 - 機材やスタジオ代交通費など音楽活動にかかった経費 = 音楽活動によって得た所得

というふうにその年の事業所得をまとめることができます。音楽活動によって得た収入から経費を差し引いて、最終的な所得を出すんですね。

ちなみに「じゃあ給与所得も経費を引けるの?」と思われるかもしれませんが、給与所得の場合は自分で経費を設定して収入からマイナスすることはできません。

しかし、経費を設定できない代わりに給与所得者は給与所得控除と言って収入に応じた一律の額が引かれます。この計算は自動的に行われて税金に反映されているので、会社員の人は自分で確定申告する必要がないのです。

稼げていないミュージシャン・バンドマンはみんな赤字を出しているといえる

稼げていないミュージシャンの絵

大雑把に説明しましたけど所得の出し方はわかりましたかね?しかし、

「音楽活動で発生した所得~?そんなもんライブのギャラとか全然出ないし、音源だって売れないしあるわけないじゃん」

と思う人が大半だと思います。音楽で儲かってたらバイトとか会社とかで兼業なんてしてないって話ですよね。

でもですね、肝なのはこの所得というのはマイナスとしても計算できるということです。例えば

ライブをやったけど1円も儲からなかった(収入) - そのライブのために練習スタジオ代8000円と交通費2000円かかった(1万円の経費) = -1万円の損失(所得)

いわゆる赤字ってやつです。頑張ってライブをしたんだけど儲かるどころか財布からお金が出ていったきりということですね。

これを年間で考えると

音楽活動による一年間の収入は5万円 - 音楽活動のために使った年間の経費(ex スタジオ代、会場までの交通費、楽器代、レッスン代、交際費等)が50万円 = 年間で-45万円の所得(要は赤字)

こんな風に大きい赤字になりませんか?

つまり、音楽で飯を食べようとしているのにあまり稼げないでバイトなどをしているミュージシャンたちは、みんな音楽活動による赤字を出していると言えるんです。

個人事業主なら給与所得と事業所得を合算できる

給与所得と事業所得の合算

そしてですね、個人事業主になっておけば音楽活動による赤字は年間の給与所得と合算(足し引き)して役所に提出することができます

例えばバイトで1年間150万円稼いだとします。んで音楽活動では45万円の赤字だとしましょう。

1年間の給与所得(150万円) + 1年間の事業所得(-45万円) = 115万円

となるわけです。

上の例はわかりやすくするために給与所得控除などを入れていないかなり大雑把な式なので厳密に言えば違いますが、基本的にはこういう考え方でオッケー。

つまり年間で稼いだバイト代から音楽活動の赤字分を引いたのがその人の正確な年間所得ということになります。

確定申告をしないと150万円分の税金を課せられるのに対して、確定申告をすれば115万円分の税金だけを払えばいいというふうになるんですね。

これは別にズルとかじゃありません。権利として国民全員に許されていることです。

だから稼げていないなら確定申告をしないと純粋に年間十万単位で損してるんですよ

国民年金も所得によって免除が認められている

それから年金の支払いも抑えられます。

年金払っても将来貰えるかわからないしなぁーとか思ってても、払わないと貯金を差し押さえられたりするので払っている人が多いんじゃないかと思います。

そのやっかいな年金の支払いも、所得によって全額免除や半額免除などが認められます。

くわしくは国民年金、免除の所得条件はどのくらい?を参照してください

ただし、免除になっても払い続けた人と同額の年金を将来もらえるということではないので、注意が必要です。

老後が不安だし、、、という人は頑張って払い続けるのも正解だと思います。

私は個人的には年金を払っても将来それに見合ったバックがあるようにはまったく思えないですが、しょうがないので払っています。

ミュージシャンが確定申告をするためには

開業届を出して個人事業主になろう

個人事業主になることを勧めている絵

なにはともあれ、まずは開業届を役所に提出しましょう。最寄りの税務署で開業届をもらってもいいですし、国税庁のHPからダウンロードして印刷してもオケです。

開業届は「私はミュージシャンで、音楽で生計を立てるために日々頑張ってます」と役所に公に知らせるためのものだと思ってください。届け出ておかないと音楽のために使ったお金を経費として申請したり、給与所得と事業所得の合算ができないです。

んで、開業届を出すときにちょっと注意しといたほうが良いことは「開業日」です。

理想は役所に届け出を出した日を開業日にするのがいいんですが、ほとんどの人はその日以前からミュージシャンを志して活動していると思います。

去年の春頃からミュージシャンになろうと決意してやってきたけど、一年くらい経ってからそれから確定申告とか開業届とかいうものを始めて知って、、、、という人が大半です。活動を初めた初期から開業届を出している人はほとんどいません。

そういうときは自分がこの頃からちゃんと目指し始めたなぁという日を開業日にして提出してください。それでちゃんと受理され、開業日以降の確定申告で給与所得と事業所得を合算して申請できるようになります。

だから例えば2019年の2月に「確定申告か~、してみよっかな」と思っても、開業日を2018年の1月とかにして開業を申請し承認されれば2018年度分の確定申告(この場合は必然的に白色申告になる)をちゃんとミュージシャンとしてできるわけですね。

ただしその年に青色申告をしたい場合は注意が必要。

2カ月を超えて開業日を遡り、かつ「青色申告承認申請書」の提出期限(3月15日)より後に開業届を提出した場合はその年は白色申告しかできなくなります。

ただ、白色申告でも音楽活動での事業所得を給与所得と合算することはできるので問題ない人がほとんどです。実際、私も数年間白色申告で済ませてました。

稼ぎが大きくなってきたら青色申告に切り替えればいいと思います。

白色申告と青色申告の違いって?

白色だの青色だの聞いたことがあるかもしれませんが、違いを大雑把に言ってしまえば税務署に提出する確定申告書に経費や収入などの明細をどれだけ細かく書くかです。

白色は簡単な記入でオーケーだけど、特別控除は適用されず。青色はだいぶ丁寧に書く必要あるけど、記入をがんばった分、特別控除が適用されて節税効果がある。

だいたいこんな風に考えておけばいいと思います。

くわしくはhttps://biz-owner.net/shiro/shiro-ao このあたりの記事を読んでおけばいいかと。

確定申告書に記入していく

ネットで確定申告を記入する絵

開業届が承認されたらさっそく確定申告書に具体的な数字を書いていきましょう。

税務署で用紙をもらえますが、おすすめは国税庁の確定申告作成のページからオンラインで作ってしまうことです。パソコンで打っていったほうがなにかと便利。

収支内訳書では収入の金額やどこからその金額をもらったのか、名前や住所などの情報を書かないといけません。

ここで音楽による収入が0で何も記載がないと、事業として認められない可能性があるので、なんとか少しでも収入を発生させておくようにがんばりましょう。

経費の計算の仕方や何を経費にできるのかといったことは

このあたりのサイトを参考にしてみてください。

私は機材代はもちろんのこと

  • 家賃(仕事で使っている面積分。例えば24㎡の自宅で8㎡を音楽のために使っているなら家賃の1/3を経費にしています。)
  • 通信費(ネット代やスマホ代など。これも仕事で使っているだいたいの時間分。仕事で半分、プライベートで半分という感じなら50%を経費に)
  • 衣装代・散髪代(ライブのための服や、ライブ前のヘアスタイリングなど)
  • 教則本代
  • etc...

音楽のために使っているものは全部経費として計上しています。

ただし、普段の食費とかはダメですよ。直接音楽の仕事につながっていくであろうものに対してだけです。

記入し終わったら印刷して提出!

確定申告書類を印刷している絵

一番始めに確定申告書を記入するときはわりとわからないことだらけだと思いますが、がんばりましょう。ふぁいお!

そして必要事項を記入したら印刷して提出です!税務署に直接持っていってもいいですし、郵送でもオーケー。確定申告の時期は税務署は混んでいて提出するにも時間がかかることがあるので、私はいつも郵送で済ませています。

あと事前にe-taxの手続きをしておけば、オンラインでデータを送ることもできます。

ちなみに提出する税務署はどこでもいいというわけではなくて、住んでいる地域を管轄している税務署じゃないとだめですよ。「~市 税務署」とかでググればすぐにわかります。

そして提出する際には源泉徴収票も必ず一緒に提出すること!普通はアルバイト先や会社が年末あたりに勝手にくれますが、持っていなければ要求してもらってください。

源泉徴収票も提出すると、所得に応じて還付金ががっつりはいってきたりします(「還付金はミュージシャンのボーナスである」という人もいます)。

6月前後に市民税や健康保険料のお知らせが来る

税金が下がって喜んでいる人の絵

こんな風に3月15日までに確定申告をすると(最悪3月15日を過ぎても受け付けてもらえる)毎年6月くらいに市民税や健康保険料のお知らせが来ます。

きっと去年よりも税金が下がっているはずです。

確定申告で節税して、その分を活動の発展に充てよう

節税して機材費に充てる人の絵

大事なことなので冒頭と同じことをまた言いますが、確定申告をしていない駆け出しのミュージシャンの殆どは税金で損してます

国の制度ってそういうものなんですよ。知らないと損をするものがほとんどです。

でもですね、逆にいえばちょっと調べて少し労力をかけるだけでぐっとお得に生活することができることが多いです。

確定申告もちょっとめんどくさいですが、これで年間数万~数十万の節税になるなら、やらない手はないですよね。ギャラのいい仕事だと思ってください。

そして生活が楽になった分だけ、機材とかあなたの音楽に必要なものに充ててください。貯金も大事ですけど、自分に対する投資もかなり大事です。

なんだか自分は確定申告をしたほうが税金安くなりそうだなーと思ったら、稼げていない今だからこそ必ずするようにしましょう。

 

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